三十路100%

部屋とワイシャツと三十路

電車内マクドナルド持ち込み罪について

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マクドナルドをテイクアウトして電車に持ち込む人をどう思いますか?

「僕は嫌ですね。移れる状況なら車両を移動します。」

「ポテトの匂いだけは勘弁」

「迷惑です」

 

わかる。わかります。

あの何らかの手が加えられた怪しい油で揚げられたポテトの匂い。車内に充満して臭いったらありゃしない。本当に勘弁してほしいものですよね。

何でその場で食ってこないんだこの馬鹿野郎が。周りの迷惑考えろこんの馬鹿野郎が!!ってなりますよね。

 

話は変わりまして、

あのね、私ね、プロサラリーマンなので今日が今年初めてのお給料日だったのね。

それでね、なんか自分へのご褒美ーとか思ったのね。それがね、マックだったのね。

なかなか食べる機会もないし、揚げたてのポテト食べたいなーなんて思っちゃったのね。

あれ思い始めたらもう止まらないのね。

キーボード打っててもテリヤキバーガーにするかビッグマックにするかフィレオフィッシュにするか、ナゲットもつけちゃおうかしら、つけるならソースはバーベキューかないや趣向を変えてマスタードかな、思い切って両方つけちゃおうかなって思いが止まらないし、ミーティングしててもこの人は絶対えびフィレオ頼むんだろうな、ポテトなしでコーヒーとかつけて今日はジャンクな夜ご飯☆手作りサラダもつけて少しでもヘルシーにね☆なんてやるのかなとかもう止まらないの。

 

それで定時でおつかれっしたーと逃げるように会社を後にして家に一番近い駅のマックに向かったの。

 

ティロリ♪ティロリ♪ティロリ♪

ポテトの揚がった音とむせ返る油臭につつまれたマクドナルドはまさに今日一日私が求めていた場所で、ここにきてまだメニューに悩む自分に苦笑いしながら外人の定員さんの笑顔に迎えられてテリヤキバーガーセットとチキンマックナゲットを頼んだ。あと少しでこの一ヶ月が報われる幸せに包まれることを想像してマスクから溢れそうな笑顔だったと思う。

 

でもね、その時こう聞かれたんだ。

「店内でお召し上がりですか?」って。

考えてもいなかったことだった。

ただただテリヤキバーガーの甘いタレと酸っぱいマヨネーズが絡んだレタスを手でつまんで口いっぱいほうばることとか揚げたてでホクホクのポテトを一本一本愛おしむように食べることで頭がいっぱいだった。

『店内でお召し上がりですか?』

そう聞かれた時から私は時限爆弾を取り除くような恐ろしさに身を置いてるってことに気づいたんだ。

 

もし店内をチョイスする。

二階に上がってウロウロするも、夜の7時なんて席はいっぱい。地下の方にも行ってみて、それでも席がいっぱいだったら仕事帰りの女がテリヤキバーガーセットの載ったトレイを持ってただただ席が空くのを待つことになる。

しかも「この女セットにナゲットも食べんのかよ。クソデブワロタwww」ってなる可能性がある。しかも高校生や大学生に「おばさんが一人でマック飯wつらたんw」とかってツイートされる可能性だってある。

 

じゃあもし持ち帰りを選んだら電車の中でくっせーなこのばばあ。常識考えろクソが。ってツイートされる。多分4人くらいにされる。

サラリーマンたちにジロジロ見られて咳払いされてため息つかれて。

 

なんて考えるとどちらもリスクしかない。

どっちだ!赤と青どっちを切ればいいんだ!!くそ!時間がない!!!なんてやってたらまた外人の定員さんが??って顔をするもんだから答えてやったのさ。

 

「持ち帰りで。」←腹をくくった三十路の顔

 

この駅から最寄りまでは電車で約5分。

なんとかなるのではないかという思いとせっかくのマクドナルドをだーーーいすきな家でのんびりYouTube見ながら食べたかった。食べたかったんだ。

 

ドアが閉まるギリギリに電車に乗車。ドアに顔がくっつく距離で座席の裏側に立った。

体はピクリとも動かさず私はセミです。季節外れのセミなのです。という態度で車内で存在感を消した。

だんだん異変に気付く乗客たち。ヒソヒソと喋る人たちの中にはきっと

「なんかマックの匂いしない?」

「ほんとだー!あ、あれあれ」

なんて会話が繰り広げられているに違いない。

私に一番近い端っこの席でウトウトしていたサラリーマンはばっと顔を上げキョロキョロして鼻を二回すすった。

ふふ、地雷はあなたの死角にあるのよ。なんて思いながらも本当に申し訳なくて石のようになる私。

 

そんなこんなで帰宅して食べたマックのポテトは消しゴムのように硬くなり、私のお給料日はこうして終わっていくのであった。

 

マックの持ち込みはマナー違反だと思います。本当に申し訳ありませんでした。

もう二度とやりません。冬は。